まる凄⑧原型操作
原型が出来たところで
次に行う原型操作のお話をしてみましょう
これが原型操作の写真です
原型操作って
何の為にするのでしょうね?
女性の身体のメリハリを
どのように表現するかに
その議題が掛かってきます
洋服は前身頃と後ろ身頃を
合体させて出来ています
トップスだけ考えても
前身頃は 女性のバストの膨らみと
ウエストのくびれ
後ろ身頃は 背中のなだらかな傾斜と
ウエストのくびれ
で出来ている事になります
製図を引く 紙は平面
生地も 板切れのように平面
まっすぐで 平らなものを
どのようにしたら半立体にして
前後で組み合わせられるのか?
という議題
そこでダーツというもの
をとる事にします
手書き!! 笑笑
円を三角に切り取って立てたら
円錐になりますよね?
女性のバストの膨らみを
円錐で表現すると仮定します
背中の傾斜やウエストのくびれも
大きな円錐のイメージです
同じ分量の三角は
どの向きでカットしても
同じ大きさの円錐になります
三角に切り取る事でトンガラセたり
くびれさせたり しているのです
トップの写真は
デザインにあわせたダーツ方向を
意味しています
原型をぐるぐる回し
ある箇所を くっつけたり
ある部位は 縫い合わせる部分と設定し
離したりして ダーツの移動を行うのです
最初にデザインや
表現したいイメージがあって
それからダーツを取る方向や
分量を決めます
原型そのままのダーツの位置で
取っても構わないけれど
それだと表現できる
イメージが限られてしまうから
多様なデザインを作りたい場合に
ダーツの移動が必須です
例えば作りたい洋服のイメージによっては
バストの形を克明に表現しない方が
美しい事もあります
女性は様々なシュチュエーションにおいて
あまり性差を顕さない方が
適しているシーンも多いです
パブリックな場所やお仕事柄
着ている洋服の 第一印象で
誠実さや信頼感を表す必要があったり
様々なシュチュエーションにいるものです
さらに日常生活を快適にしたい
バスのつり革につかまってみたり
自転車に乗ってみたり
子供を抱っこしてみたり
いろんな動きが快適に出来なくては困る・・・
身体をパチパチにラッピングした服で
一日を直立不動で過ごす訳にはいかないから
快適な着心地と動きを守る
ゆるみも必要です
ダーツの三角を全て取り切ると
身体をぴったりとラッピングする
セクシーなシルエットに近付いていくのですが
そのようなデザインを意図していない時は
ダーツ分量を減らし
身体からシルエットが離れるように設計します
そしてダーツを
洋服に入る傷として考えた時
例えばバストの線上を
ガッツリ縫い目が走るという事は
そこに視線が行く可能性が出来ます
それが悪目立ちしてしまうならば
あるデザインには適さない
そうしたら
その位置で縫い目としてのダーツを
取らない方が良いかも知れません
そんな場合は
トップの写真のように
ダーツそのものの位置を移動したりも出来るし
またはその位置で取るけれど
縫い目としては取らず
パターン上畳んで
縫い目は消してしまう事も出来ます
設計は デザイン意図ありきです
原型操作は
そのようにして
ダーツの向きや方向を決める
最終的なシルエット 縫製する線が
身体からどれ位 離れるのかを決める
ダーツの縫い目として見せるのか
分量だけ削って 縫い目は出さないのかを決める
その為に先に行う工程です
三角の分量が同じなら
同じ円錐になる・・・
という事はどこから取っても
概念としてはOKです
この向きでこう取らなくてはいけないという
決まりはないのですが
バストが3つになったり!
腕が5本になったり!w
女性の身体に何千年も変化がないので
ダーツは この向きで取るのが
取り易いですよとされている線
箇所があります
それが上の 胸ぐせダーツの方向の写真です
デザインの切り替えに近い場所や
適した場所に移動し
原型操作を行います
ふう~
分かったかなあ?
大変だよね!
ここまで手を掛けて
まだ本デザインの
作図に入っていないんですよ!
あ、気付いちゃってます? 笑
文化服装学院に行ってても
なかなか理解出来なかった原型操作・・・笑
今では身を持って感じてきた
こんな解釈を 学生に伝えています
次回はデザインごとの
原型の使い分けを
お話しようかと思います!
0コメント